私が初めてベヒシュタインに出会ったのは、父の工房に1924年製のアップライトピアノ「ベヒシュタイン・モデル9」が引き取られたことでした。100年ほど前のピアノですので、修復するにあたってメーカーの知識や技術を学びたいと思い、ベヒシュタイン技術者の会に入会しました。ベヒシュタインの技術を学ぶなかで、その音色の豊かさ・立ち上がりの速い透明感のある響きに魅了されていきました。※現在「モデル9」は修復中です。(執筆 具志堅祐丈 / 以降も同様 )
美しく、色鮮やかで、透明感のある豊かな響き。ベヒシュタインの音を聴いた時(ピアニストの方が弾く音を聴いた時、自身が調律や整音作業の際に聴いた時等)、こんなに素晴らしい音なのかと全身に鳥肌が立ちました。沖縄に戻ってもあの音が忘れられない、あの音が愛しいとまで思えるほどでした。ベヒシュタインは、小型のアップライトピアノからホールで使用されるグランドピアノまで、統一されたベヒシュタイン独自の音色を持ってることも魅力の一つです。その響きの良さと磨き抜かれたタッチは、弾き手も格別に感じられると思います。
ベヒシュタインは各部にわたって妥協のない製作が行われていて、アップライトピアノもそのパワフルな音色からキング・オブ・アップライトと言われています。ベヒシュタインのアップライトピアノを弾くと、きっと驚かれると思います。十分なパワーとクリアな響きを合わせ持っていて、グランドピアノもかくやと思える迫力があります。タッチが無理なく正確で、敏感にコントロールできるため、プロのピアニストだけでなくピアノ初心者にも最適なピアノです。また、ベヒシュタインのピアノは、きちんとメンテナンスをしていけば、孫・ひ孫の代までも使用いただけます。現代でも100年以上前のベヒシュタインが現役で使用されています。ずっと好きでいられる、ずっと大切だと思える、そんなピアノに出会って愛用していってほしいと思います。ピアノは高額な楽器のため、購入されるのは一生に一度の場合も多いと思います。ベヒシュタイン・ピアノはその一度にふさわしい楽器となるでしょう。
現在の沖縄県の主要ホールには、世界三大ピアノのうちベヒシュタイン・ピアノの導入がまだありません。沖縄ではほとんど目にすることのないベヒシュタインを皆様に知って・聴いて・弾いていただきたい。あの音色を、私が受けた衝撃を、皆様にも感じていただきたい。そんな思いです。いつか沖縄のホールでベヒシュタイン・ピアノが奏でられることが私の夢です。きっと音楽文化豊かな沖縄の皆様にこそ喜ばれる、そんな音色だと確信しているのです。
沖縄県のお客様で、ベヒシュタインピアノについてご興味のある方は、ナハピアノサービスへお問い合わせください。ベヒシュタイン技術者の会会員の調律師がご案内いたします。
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